映画『誰もがそれを知っている』(原題 Todos lo saben 英題 EVERYBODY KNOWS )のインタビューに応じた俳優のハビエル・バルデムは「ペネロペは新しい役を演じるたびに成長する女優だ。同じ現場で花開く彼女を見るのはとても嬉しい」として、妻で女優のペネロペ・クルスに対する愛溢れるコメントを語った。
本作は、イランの名匠アスガー・ファルハディ監督による、家族の秘密と嘘をめぐるヒューマン・サスペンス映画。
私生活については秘密主義で多くを語ることのない2人だが、映画祭や授賞式などにはツーショットで出席し、いつも変わらぬおしどり夫婦ぶりを見せている。ハビエルは役者という仕事に絡めて、ペネロペとの共演は「現実の僕らとは違う。異なる人物になり切ってお互い接してるよ。あくまでも役柄であってそこはハッキリさせておく。現場に行き仕事を終えたら気持ちを切り替える。意識すれば簡単に切り替えられるよ」と、仕事場と家庭をきっちりと分けていることを示唆した。
スペイン出身のペネロペ・クルスとハビエル・バルデムが初共演したのは、当時16歳だったペネロペの映画デビュー作『ハモン・ハモン』。それから5年後、スペインの名匠ペドロ・アルモドバル監督『ライブ・フレッシュ』。ウディ・アレン監督『それでも恋するバルセロナ』で9年ぶりの共演(この共演をきっかけに2人の交際がスタート!)。リドリー・スコット監督『悪の法則』、メキシコの麻薬王パブロ・エスコバルとその愛人の物語『Loving Pablo(原題)』を経て、本作は6本目の共演作だ。
そして、妻のペネロペ・クルスは、「夫ハビエル・バルデムとの共演が続いたのは偶然なの」などと照れ隠しなのか語り、今後の夫婦共演についても言及している。
本作の出演のきっかけについて、「5年前に監督から電話がかかってきて、作品の構想について話があり、“もちろん任せて”と即答したわ。映画界の巨匠ですもの。彼が脚本を書き始め、映画の完成までこぎつけた」と念願のオファーであったと話す。
演じたラウラ役については「複雑な役柄だったわ。彼女は大きな秘密を抱えていて、それが性格に影響してる。周りの人とのつき合い方にもね。重荷となって肩にのしかかる。」と“ある秘密”を抱えていることが、彼女の複雑な人格を形成していると、冷静に自身のキャラクター像を分析。
そして、ファルハディ監督との仕事は「彼は構想を共有してくれて、あらゆる面で明確なビジョンを打ち出してた。一方でクルーや私たちにためらわず質問してくれたわ。その姿勢は、とても謙虚で大切よ。異国の地で異なる言語を使って撮影するんですもの」と振り返った。初めてスペインロケを行った監督に、「(自身の出身地である)スペイン特有のことについて聞かれた時には、いろいろ話し合った。一緒にスペイン映画を撮れてうれしかったわ。本当に光栄なことよ」と監督のサポートしていた様子。
ハビエル・バルデム『誰もがそれを知っている』インタビュー
©2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION – MORENA FILMS SL – LUCKY RED – FRANCE 3 CINÉMA – UNTITLED FILMS A.I.E.
ペネロペ・クルス『誰もがそれを知っている』インタビュー
©2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION – MORENA FILMS SL – LUCKY RED – FRANCE 3 CINÉMA – UNTITLED FILMS A.I.E.
映画『誰もがそれを知っている』(ロングライド 配給)は2019年6月1日[土]よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
© 2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION – MORENA FILMS SL – LUCKY RED – FRANCE 3 CINÉMA – UNTITLED FILMS A.I.E.
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