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『エッセンシャル・キリング』【映画で知る世界】

映画『エッセンシャル・キリング』日本版ポスター

第67回ヴェネツィア国際映画祭W受賞した、映画『エッセンシャル・キリング』が日本で公開になりました。監督・製作・脚本は、映画『アンナと過ごした4日間』で監督業に復帰した、ポーランドのイエジー・スコリモフスキ監督。83分間、主人公のセリフは一切なく進行する格闘&逃亡劇。

アフガニスタンの荒涼とした大地。俳優ヴィンセント・ギャロ扮するアラブ人のムハンマドは、米軍から追われることに。タリバン兵とも見てとれるが、彼の素性は明かされない。

60分が経過した頃から始まる“ヘンタイTime”(←ポン・ジュノ監督風の褒め言葉)には、ド肝を抜かれた。

 自分が安全圏で観ているから、より強く感じるのだろう。

本質的な殺害行為=エッセンシャル・キリングとは何なのか? そんな事を考えずにはいられなくなる内容で、シリアスになり過ぎて、筆者の思考はそこから逃避しようとしたようだ。

そんなときに、字幕の文字並びで笑わせてもらった。
A:「失神しているぞ」
B:「車にはねられたのかな?」
A:「乳丸出しでか?」

まさしく、そうゆう状態なので、この「乳丸出しでか?」のインパクトといったら!この字幕が口直しのデザートのような効果となり、エッセンシャル・キリングについて考えをめぐらすこととなった。

そして最終的に、イスラム教の経典を手に“アッラーだけがご存じで汝らは何も知らない”と語る人物の示すことと、自分なりの着地点が得られた。

第67回ヴェネツィア国際映画祭でのW受賞とは、審査員特別賞と最優秀男優賞のこと。なるほど、納得の出来栄えでした。

原題=ESSENTIAL KILLING
日本公開=2011年7月30日
配給=紀伊國屋書店、マーメイドフィルム
公式サイト http://www.eiganokuni.com/EK/
©Skopia Film, Cylinder Production, Element Pictures, Mythberg Films, Syrena Films, Canal+ Poland. All rights reserved.

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