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『かぐや姫の物語』朝倉あき「わたしは誰の者にもならない」に共鳴

『かぐや姫の物語』朝倉あき「わたしは誰の者にもならない」に共鳴

[シネママニエラ]高畑勲監督14年ぶりの新作アニメーション映画『かぐや姫の物語』で、ヒロインのかぐや姫の声を務めた女優の朝倉あきが、スタジオジブリの西村義明プロデューサー(以下、西村P)と鈴木敏夫プロデューサー(以下、鈴木P)と一緒に中間報告会見に出席し、同作の印象的なセリフを発した際の心境などを語った。

映画『かぐや姫の物語』のヒロインの声を務める朝倉あき

鈴木Pによれば「(本作は)日本最古の物語とも言われる「竹取物語」のストーリーを高畑さんはやっている。実に素直に、かぐや姫がその時どう思ったのかを大事に描いている。そのためどこで差を出すかというと表現しかない」と語る。ところが、企画がスタートしてから4年半を費やして完成した絵コンテは、本編の約30分相当という危機的?状況。それを打破すべく、問題点となる「かぐや姫はどんな子?」というイメージが必要だとして、ヒロイン・かぐや姫の声優オーディションを行ったという。そこで選ばれたのが朝倉だ。

「平安時代に現代の子を放り込んだら彼女はどう反応するだろうか?」とコンセプトを明かした西村P。朝倉はオーディションの際は、実力を発揮できなかったことを振り返り、その日の「駅までの帰り道は泣きながら」だったとまで明かす。しかし、高畑監督は「悲しみ方が良かった。声に意思が宿っている。彼女なら可能性がある!」と抜擢した。

朝倉が声を入れたのは遡ること約2年前。これは(画の完成前に声優の声を録る手法の)プレスコと言い、制作スタッフはその後、朝倉の声=かぐや姫として聞き続けて作業工程を進めた作品というわけだ。「オーディションから2年経った今、やっと(かぐや姫が)分かってきました」として、「絵コンテを見ながらの声入れは、『どういう人物なんだろう?』と想像しながらやりました。あれから2年経って、先日改めて観た時に、自分の中で何か成長があったのか、かぐや姫の悲しい部分が自分の中に入ってきました」と吐露する。

この日、完成したばかりの約6分間のフッテージ映像が取材陣にお披露目された。朝倉は「かぐや姫がどう考えているのか、画面から伝わってきて。かぐや姫のむき出しのまっすぐな感情が、受け止めきれなくて。心がひりひり。表情が胸に刺さって、なぜか涙してしまいました」と感受性の強さを垣間見せた。さらに、「姫が(花婿候補に)無理難題を押しつけるときのまるで結婚に興味のない声が難しかった」と振り返ったが、「わたしは誰の者にもならない」という意思表示の台詞は快感だったようだ。

日本公開=2013年11月23日
配給=東宝
©2013 畑事務所・GNDHDDTK

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