『東京裁判』で知る戦後日本の進路を運命づけた極東国際軍事裁判
小林正樹監督による、アメリカ国防総省によって撮影された50万フィートに及ぶ膨大な記録フィルムをもとに、戦後日本の進路を運命づけた極東国際軍事裁判を捉えたドキュメンタリー映画。4Kフィルムスキャン、2K修復版によるデジタルリマスターで鮮やかに蘇る。
“東京裁判”と呼ばれ、戦後日本の進路を運命づけた極東国際軍事裁判とは?
本作は、太平洋戦争敗戦後の1946年(昭和21年)、市ヶ谷の旧陸軍省参謀本部にて開廷された裁判の模様を、アメリカ国防総省が撮影していた50万フィートに及ぶ膨大な裁判記録のフィルムが1973年に公開された。講談社がこれを基に創立70周年記念事業とした記録映画を企画。判決から35年後、1983年(昭和58年)に映画『東京裁判』として公開された。第35回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞した。
小林監督は、戦時中に応召して満州・宮古島と転戦し、戦後は沖縄の捕虜収容所に収容されるなど、戦争の実態を身をもって知る人物。「東京裁判への挑戦なくして私の戦争映画は終わらない。いつかは、私の戦争映画の集大成として真正面から取組みたい題材であった」と公言していた。
アメリカ国防総省によって撮影された50万フィートに及ぶ膨大な記録フィルムをもとに、『人間の条件』『切腹』の名匠、小林正樹監督が5年の歳月をかけて編集、制作した巨編が、平成の終わりと新しい時代の幕開けに4Kフィルムスキャン、2K修復版によるデジタルリマスターで鮮やかに蘇る。昭和天皇による玉音放送の音声も実に聞き取りやすいものとなり、同時に詔書全文の完全字幕化も実現した。
映画『東京裁判』4Kデジタルリマスター版(太秦 配給)は2019年8月3日[土]よりユーロスペースほか全国順次公開
©講談社2018
映画『東京裁判』あらすじ
第2次世界大戦を終結させるべく、1945年(昭和20年)7月26日、連合国のアメリカ、イギリス、中華民国による“日本への降伏要求”ポツダム宣言”が発表された。対応に窮した日本がこれを「黙殺」しているうちに、アメリカは8月6日・広島、9日・長崎に原子爆弾を投下。さらにソ連が9日、日ソ中立条約を破って樺太に侵攻。ついに日本はポツダム宣言を受諾し、8月15日に全面降伏の旨を天皇自身の声で国民に公表した。戦後の日本を統治することになった連合国軍最高司令官マッカーサー元帥は「軍事力の粉砕」「戦争犯罪人の処罰」「代表制に基づく政治形態の確立」といった三大政策の中で、特に「戦争犯罪人の処罰」を早急に実施することを命じた。それは彼らを裁くことによって、日本人へ敗戦の事実とそれに伴う価値観の転換を示唆することに繋がると確信していたからであった。
1946年1月22日、極東国際軍事裁判所条例が布告され、戦争そのものに責任のある主要戦犯を審理することが決定された。いわゆる“東京裁判”の開始である。それまで日本を支配した指導者100名以上の戦犯容疑者の中から、太平洋戦争開戦時の首相・東條英機をはじめとする28名が被告に指名された。それは昭和天皇45回目の誕生日にあたる同年4月29日のことであった。(1983年/日本/モノクロ/DCP/5.0ch/277分)
映画『東京裁判 4Kデジタルリマスター版』予告編
総プロデューサー:足澤禎吉、須藤 博 エグゼクティブプロデューサー:杉山捷三(講談社)
プロデューサー:荒木正也(博報堂)、安武 龍
原案:稲垣 俊 脚本:小林正樹、小笠原 清(CINEA-1)
編集:浦岡敬一(CINEA-1) 編集助手:津本悦子、吉岡 聡、佐藤康雄
録音:西崎英雄(CINEA-1) 録音助手:浦田和治 音響効果:本間 明 効果助手:安藤邦男
資料撮影:奥村祐治(CINEA-1) 撮影助手:北村徳男、瓜生敏彦 ネガ編集:南 とめ ネガ編助手:大橋富代
タイトル美術:日映美術 現像:東洋現像所 録音:アオイスタジオ 協力:博報堂
史実考査:一橋大学教授 細谷千博(現代史)、神戸大学教授 安藤仁介(国際法)
翻訳監修:山崎剛太郎 監督補佐:小笠原 清 助監督:戸井田克彦 製作進行:光森忠勝
ナレーター:佐藤 慶
音楽:武満 徹 指揮:田中信昭 演奏:東京コンサーツ
監督:小林正樹
デジタル修復補訂版2018
デジタルリマスター監修:小笠原 清、杉山捷三
アーカイブコーディネーター:水戸遼平
フィルムインスペクション:千陽裕美子
デジタルレストレーション:黒木 恒、高橋奈々子、森下甲一
カラリスト:阿部悦明 音調調整:浦田和治
協力:独立行政法人国立映画アーカイブ 株式会社IMAGICA Lab.
サウンドデザイン ユルタ 豊国印刷 バーミンガム・ブレーンズ・トラスト
特別協力:芸游会
企画・製作・提供:講談社
映画『東京裁判』公式サイトwww.tokyosaiban2019.com
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