俳優の中井貴一と佐藤浩市が10月11日、映画『記憶にございません!』超!大ヒット記念舞台挨拶に出席し、同作の三谷幸喜監督の演出法と、改めて盟友への想いを明かした。
本作は、三谷幸喜監督がオリジナル脚本で描くシチュエーション・コメディ映画。国民の支持率が史上最低で市民から投石を受けて記憶をなくした総理大臣(中井)の再起を描いていく。配給会社によると公開29日間で観客動員220万人、興行収入28億円を突破しており、この日が同作二度目の“大ヒット御礼舞台挨拶”となった。
中井は大ヒットについて「本当に嬉しい」と笑顔を見せ、そして「三谷幸喜の作品というのは、舞台でもそうですけど、回を重ねて観ることで見えるものが変わり見る度に新しい発見があります」と解説。佐藤は大ヒットしたことで「これで三谷さんも次の映画が撮れるな!良かったな!」と素直に喜ぶ。
この日は三谷監督がスケジュールの都合でこのイベントを欠席、会場にビデオレターを寄せた。「大ヒット致しました。記録にも記憶にも残る作品になりました! バンザーイ!!」と歓喜の雄叫びをあげた。そこまでは普通だが「中井さん! 佐藤さん! ご結婚、おめでとう!!」と話が脱線したのちに、「今回はちょっとそちらへ伺えませんが、本当に良かったです。君らがあっての僕です。また、お会いしましょう!」と締めくくった。
中井と佐藤は、お約束のようにあきれ顔を見せつつ、三谷現場を振りかえることに。中井は「僕たちの世代の俳優は、“監督がカットをかけるまでは芝居を続けるもの”だという教育を受けてきました。でも、三谷さんから「面白いことをやると、ずっと見ていたくてカットがかけられなくなるから、台詞が終わったら動かないで!」と言われました」と明かせば、佐藤は「戯曲っぽい設定を映像にしている、ある意味直球。何を求めているか明解で、それを我々がどのようにして具現化するかを三谷さんご自身も楽しみにされている」と説明した。
1981年映画『連合艦隊』でデビューした中井、1980年NHKドラマ「続・続事件 月の景色」で俳優デビューした佐藤。生年も1年違いなのだが、二人の共演は2003年『壬生義士団』が初めてだという。司会者から改めて互いの印象を問われる一幕も。
「40歳を過ぎて初めて共演した『壬生義士団』。芝居をわかって色々理解してから共演できたことが僕はすごく良かったと思いました。僕の中では、佐藤さんがいることが、役者を続けていく一番の刺激で、一番の励ましになっているのは事実です」(中井)
「本当に中井氏が言ったように、確かにそうです。きっと出会わなかったのには、出会わなかった理由があるのです。出会うのは最良の時だと、僕らの商売は思えるものです」(佐藤)
さすがコメントが深いですね。そんな二人の意外な一面として、中井が「こうして二人が並んでいると、僕が緻密に計算するタイプで、佐藤さんは感覚派タイプだと思われるでしょうけど、実は逆です」と述べ、佐藤は「百人いたら百通りのやり方があると思います。中井氏は体育会系」と語り、三谷監督からも「見た目と感覚がまったく違う」とよく言われているのだとか。
とはいえ、中井が「僕らの根底にあるものは共通しているので、一緒にやっていると楽しい」と賛辞を送れば、佐藤も「一緒に同じシーンで芝居をすることが嬉しいです」と呼応し、盟友二人の名優たる持論を垣間見るトークになり、観客を喜ばせていた。
映画『記憶にございません!』(東宝 配給)は2019年9月13日[金]より全国公開中
©2019フジテレビ 東宝
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