ルイ・ガレル監督「人の気持ちはあてにならない」
昨日から公開の俳優ルイ・ガレルが監督と主演を務め恋模様を描く、映画『パリの恋人たち』(英題A Faithful Man 原題 L’Homme Fidèle )は、「人の気持ちはあてにならない」というシンプルなアイディアから出発したという。
本作は、フランスのパリを舞台に、本当の気持ちを素直に表せない、不器用な男と女の揺れる関係を短編小説のように描いた大人のラブストーリー。
ジャーナリストの青年アベルは、3年間同棲したマリアンヌから妊娠を告げられ喜ぶのもつかの間、父親は友人のポールであることから別れを切り出される。数年後、アベルはポールの告別式でマリアンヌと再会するが、その時にポールの妹イヴから想いを告白され…。
「文学には短編小説と長編小説があります。わたしは本映画を短編小説のように組み立てたいと考えました。気張らなくて、サプライズがあり、みずみずしい短編小説であり、重苦しい心理ドラマのアンチテーゼでもあります」と話す。
主演のアベルには、ルイ・ガレル。フランスの人気監督フィリップ・ガレルの息子であり、父・フィリップのほか、ベルナルド・ベルトルッチ、ジェーン・バーキン、クリストフ・オノレやジャック・ドワイヨンらに愛されてきた名実ともにフランス映画界きってのサラブレッド。
監督作としては『ふたりの友人』以来となる。2人の女性たちの間で右往左往するアベルを「何度も生まれ変わる“いたいけな人”をイメージしました。降りかかる災難をすべて楽しんでしまう人」と解釈し、愛すべき主人公にした。
マリアンヌには実生活でもルイのパートナーでもあるレティシア・カスタ。映画『ジターノ』(Gitano)のルシア役では鮮烈な印象を残した。フランスNo.1モデルにして、最近ではハイジュエリーブランド・ブシュロンのショートムービーで高橋一生とも共演、出演作『シュヴァルの理想郷 ある郵便配達員の夢』が日本でも公開になるなど女優としての活躍も目覚ましい。今回彼女が演じるのは恋の酸いも甘いも経験してきた貫禄のマダム・マリアンヌ。アデルをめぐり、リリー=ローズ・デップ演じる年下の女性エヴの恋の宣戦布告も受けて立つ、しかしその胸中は誰にも分らない葛藤があり…そんな女性の複雑な心境を繊細に演じている。
大人の女性であるマリアンヌに対し、小悪魔的魅力でアベルを翻弄するイヴには、リリー=ローズ・デップ。いわずと知れたジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの愛娘でシャネルのモデルとしても活躍中だ。
映画『パリの恋人たち』(サンリス 配給)は2019年12月13日[金]よりBunkamura ル・シネマほか全国順次公開
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監督 ルイ・ガレル | 出演 ルイ・ガレル、レティシア・カスタ、リリー=ローズ・デップ、ジョゼフ・エンゲル ほか
(2018年/フランス映画/フランス語/カラー/75分 字幕翻訳 松岡葉子 字幕協力 東京国際映画祭)
映画『パリの恋人たち』本編映像
映画『パリの恋人たち』公式サイト
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