サイトアイコン シネママニエラ

松たか子「戻りたい過去はないです」

女優の松たか子が1月9日、主演映画『ラストレター』レッドカーペットイベントと舞台挨拶に、一人二役を演じた広瀬すずと森七菜、そして二人一人役を演じた神木隆之介と福山雅治とともに来場。一通の手紙から27年前の初恋を思い出していく内容にちなみ「戻りたい過去」を問われ、気持ちに正直に「戻りたい過去はないです」とまとめた。

左から神木隆之介、広瀬すず、松たか子、福山雅治、森七菜、レッドカーペットイベントにて

二人一人役で小説家の乙坂鏡史郎を演じたのは神木と福山。神木が「福山を徹底研究」し、顔にホクロのメイクをほどこしたり、髪型を真似たという。福山は「なんとなく似ていると思う。神木くんは(お芝居が)達者なので、たぶん細かい部分をやってるんですよ。それだから、僕は完全に「お任せ」でした。その「似ている」のは、神木くんのお芝居のたまものです」と同じ所属事務所の後輩をべた褒めだった。

そして、福山は「ぜひ二つの乙坂鏡史郎を楽しんでもらえたらと思います」と延べ、「詩的な世界の住人になれました。しかも、撮影は岩井さんの故郷の仙台でしたし、得がたい体験だと思いまして、この撮影の日々は嬉しい毎日でした」と初の岩井組を述懐。神木も「すごく穏やかに撮影が進んでいきました。岩井さんもすごく穏やかで、演技指導もたくさんしてくださいました。本番中に夢なのか現実なのかわからないまま、不思議な雰囲気で役を演じられました」と振り返った。

松たか子と福山雅治、27年ぶりの共演を笑顔で振り返る

この日のイベントで福山は、岩井監督から「乙坂鏡史郎を演じられるのは福山雅治さんしかいない」という熱烈オファーを受けていたことが明らかに。「そんな風に言っていただけたら“やります!”って、ま、そういう言われ方をしなくてもやったと思いますけども(笑)、最上の言葉でオファーをいただいたと思っています」と感謝を言葉にした。

さらに福山は、松に「がっつりとお芝居したのは、今回が初めて。本当に話しやすいので、お芝居もしやすいです。現場で自然でしたけど、完成作は(役の)岸辺野裕里がいたのですごい女優さん」、後半に出てくる重要なシーンの広瀬を「鏡史郎の美咲への恋心を引き出してくれた」と感謝する。

福山雅治、老眼で腕時計の文字が見えない…。

最年少の森については、先輩陣が揃ってねぎらった。松は「高校時代の姿がキラキラしているほど、高校時代の裕里が切なければ切ないほど可愛い」と笑顔。「私も、七菜ちゃんに役作りを「お任せ」していたので、七菜ちゃんが現場に見学に来てくれて、私のことを観察してくれて演じてくれました。普通は(立場が)逆だなと思いつつも、私は好き放題にお芝居をやっていました。(森さんに)ありがとうございました」と言われるや、森は感激のあまり涙声で「ありがとうございます」と言うのが精一杯だった様子。

この映画『ラストレター』は、岩井俊二監督が初めて出身地である宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まった2つの世代の男女の恋愛模様と、それぞれの心の再生と成長を描く物語。この日登壇予定だった岩井監督はインフルエンザの為参加が叶わなかった。監督に代わり、松は「岩井さんが描きたかった世界に呼ばれた私たちが、不思議で魔法のような時間を宮城で過ごして撮った作品です」と解説した。

キャストへ共通質問「戻りたい過去」は?

森 七菜さん
大好きな作品である『ラストレター』の楽しかった撮影期間に戻りたいです。(裕里の片思いは)時間が経つごとに切ない気持ちと苦しい気持ちが混じるので、みんながそういう気持ちにならないように、私が過去に戻って回避できないかなと思いました。

広瀬すずさん
私はお仕事を始めた中学校二年生よりも前に戻りたいです。それまでは、全国大会を目指す学校のチームで、本気でバスケットボールをしていて、そのバスケを途中で辞めたので、もしも辞めていなければどうなっていたかな?と思うからです。それに、将来はバスケの監督になりたいと思っていました。

神木隆之介さん
僕は高校時代です。友だちと一緒になって文化祭や体育祭を全力でやって、すごく楽しかったです。ちょっとだけ自分の意見を持った状態で、悩むこと、喜ぶこと、悲しむこと、出会うことすべてに全力で向き合って心を動かされたなと思っているので、そういう感情を大事にして生きたいし、もう一度体験してみたいです。

福山雅治さん
基本的には戻りたい過去はないです。人生の生きている残り(時間が)が短くなっているので、なるべく未来を見て生きていこうと思っているので、敢えて言うなら「老眼になる前」です。「この時計が似合う大人になったら買おう」と思っていた腕時計を近年購入したのですが、文字盤の文字が小さくて、見えないまま使っています。

松 たか子さん
一生懸命考えましたけど…「戻りたい過去はない」です。もし戻ったとしても同じ人生を繰り返すと思います。ですから、「ない」ということでお願いします。

写真は追って掲載します → 掲載しました。

映画『ラストレター』(東宝 配給)は2020年1月17日[金]より全国公開
©2020「ラストレター」製作委員会

左から神木隆之介、広瀬すず、松たか子、福山雅治、森七菜
1 / 10

岩井俊二監督「『ラストレター』は僕からの“手紙”」
岩井俊二著「ラストレター」 (文春文庫)をAmazonで購入する

モバイルバージョンを終了