[シネママニエラ]本国ではデートでの鑑賞はNGとされたほど、主演ウォンビンの格好よさが際立つ映画『アジョシ』が日本公開される。共演したのは、初出演映画『冬の小鳥』がカンヌ映画祭でも絶賛された天才子役のキム・セロンだ。“韓流四天王”ウォンビンをも魅力した“魔性の少女”ぶりは、本インタビューでも発揮された。(撮影:野原誠治)
前日の記者会見では、「もし壊れる役柄だったら、自分を捨ててでも役に成りきる」と発言し取材陣を圧倒していたが、女優として将来の目標はあるか尋ねると。「演技をするにあたって、例えば自分はこういう役がやりたい!とか、こういう演技がしたい!と選んでいたら、そういう演技しかできなくなると思う。どんな役であれ、どんな演技であれ、それに取り組んでいくのが、演技者として歩みを進めていくことが必要だと思っています」と答え、筆者はもちろんのこと、同席していたイ・ジョンボム監督が思わず日本語で「子供じゃないですね、衝撃的!」と声を大にしていたほどだ。
そのうえ現場での彼女について、イ・ジョンボム監督は「(セロンが演じた)ソミのキャラクターについて話し合う時間が十分持てませんでした。本来ならば撮影前に、ウォンビンさんともっと交流してもらえれば良かったのですけれども。撮影に入ってからもウォンビンさんとセロンちゃんのふたりが一緒になる撮影は少なかったですからね。セロンちゃん自身がソミを理解していないと、監督がいくら演出をしても無意味になります。そういうことからも、普段はごく普通の少女なのですけれども、ひとたびカメラの前に立つと成りきる。まさに演技者だなと思います」と評価している。
セロンちゃんは良い意味で「オヤジキラー」だと思った、と伝えたところ。当人は自覚も意味も解していなかったが、本国でも映画を見た観客が「魔性の少女」だと呼んだとか。「劇中に登場するタイ人の殺し屋ですらソミにメロメロになっていましたからね。なおかつ、ウォンビンさんが演じたテシクもソミのために命懸けになるってことで、“魔性の少女”だって称えられていたんですよ」と、監督が我が子自慢のように教えてくれた。
普段は「明るい女の子」だというキム・セロン。「好きな映画のジャンルはアニメーションやアクション」。今は「日本の飴とチョコレートに関心があります。あと、(癒し系キャラクターの)リラックマが好き」というのが素顔。(――リラックマのポーズで写真撮影も――)
劇中の見事な台詞まわしとは異なり、取材中は消え入りそうな声で話す様子がいじらしい。今回が初来日となったが、この3日間はプロモーション(取材や会見)ばかり。翌日は観光の時間が設けられており「来日してから話を聞いて興味を持ったドン・キホーテ、それからジェットコースターとかが大好きなので、富士急ハイランドに行きたいです」と語っていた。
このあとウォンビンさんの取材があるので彼の素顔を教えてと、お願いすると、「次にインタビューがあるなら、いいこと言っておかないと」と考えるように、実に良くデキた子なのだった。
そんなキム・セロンが教えてくれたウォンビンの素顔は、映画『アジョシ』ウォンビン来日インタビューにて。
英題=The Man from Nowhere
日本公開=2011年9月17日
配給=東映
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