満島ひかり×岡田将生×野木亜紀子「ラストマイル」語る
9月19日、映画『ラストマイル』大ヒット御礼の舞台挨拶がTOHOシネマズ日比谷にて開催され、主演の満島ひかり、共演の岡田将生、脚本家・野木亜紀子が登壇。事前に公式SNSで募った質問に生回答するコーナーもあり、大いに盛り上がった。野木氏によると、この日は塚原あゆ子監督が地方で日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(脚本:野木亜紀子)の撮影をしているため、野木氏が代理で参加したそうだ。
塚原あゆ子監督×脚本・野木亜紀子×主題歌・米津玄師という最強チームによる、人気ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」と世界線を同じくするオリジナル脚本で描かれた本作。8月23日の公開から公開28日間で、興行収入40億円、観客動員数280万人を突破した。
流通業界最大のイベントのひとつ“ブラックフライデー”の前夜、世界規模のショッピングサイトから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と共に、未曾有の事態の収拾にあたるが……。
質問と回答コーナーの一部をご紹介。
俳優への質問「脚本を読んで、特に気合いを入れたシーンやセリフは?」
満島「私の役柄は特に、脚本の内容の中に準じていると、中ぶらりんというか、ずっと気合いという意味とは違うかもしれないんですけど、「目の前に起きていることを時間をかけて把握しようとする自分」と、「具体的に目の前のことを進めなければいけない自分」と、「口から出ていることが本心なのか、自分すらも疑ってしまう自分」みたいなのを、ずっと同時に抱えながら最後まで走っていた感じがして。だから本気の気合いが入らないというか、ずっと身体がふわふわとした状態でいました」
岡田「僕も満島さんと同じで、ずっとフルスイングができない役というか、原点に戻る感じで。当たり前のことなんですけど、ちゃんとあの空間で役としてあの瞬間瞬間をちゃんと生きて存在していれば、そしてエレナさんをちゃんと見ていれば成立するだろうと思いました。クランクインしてからは、あまり考えてしまうと良くない方向に行ってしまうことがわかったので、それだけは意識して現場で立っていようと思ってやっていました」
脚本家への質問「ここの演技にしびれたといったポイントはありますか?」
野木氏「全部良かったので、選ぶのが難しいんですけども、敢えて言うのならば、満島さんと阿部サダヲさんが演じた羊急便の八木さんとのシーンがすごく好きです。書いているときは全然グッとくるシーンとは思っていなかったので、観たらすごくて、どっちにもグッとくる。階段を上がるところも、塚原さんの場所の使い方がすごくうまいなぁと思って、あそこで止めるところも好きです」
野木氏「岡田さんは、ソファーの上です。そのシーンはふたりともいいんですけど、それまでお互いに、特に孔はエレナに対して警戒心MAXみたいに様子を伺っていたし、問い詰めることもしたし、その後でソファーの上でふたりともリラックスする。そこで初めてふたりの素が見える。あの時の岡田さんのとけ方が、すごく良いものを見たなぁと感じがして、すごく好きです」
野木氏のコメントを聞いた岡田が「ソファーのシーンは撮り直しをした」ことを明かした。野木氏は、「実際にその(大変な)シーンをやった直後の方が臨場感が出ますね。台本は食堂なんですけど、やはり食堂ではなくて、ああいうリラックスした場所だから余計にふたりの距離感が急に近づく感じが出た」と脚本家ならではの視点でコメント。
そして、「映像を観て“さすが!塚原あゆ子”と、うなったカットはありますか?」という質問には、満島も岡田も「冒頭」をあげた。「冒頭の撮影はドローンで本当に長回しをした映像です。孔と初めて会うエレナが描かれているんですけど、撮影もすごかったし映像になってからもすごかったです。いろいろなものが集約されていて、自分たちの体の中を血液が流れているように、社会にも街の光の中にも血液が流れていくみたいな描写は「あぁ塚原さんだなぁ」と思いました」(満島)、「まったく同じです!撮影ではドローンが全然来なくてですね、「きた?」「まだ?」「エレナさんはいつくるの?」とずっと待っていました。ジラされている瞬間も孔として生きていて、そこが個人的にも思い出があるシーンです」(岡田)、「塚原さんは、空間の撮り方が本当に上手いです。商品棚は実際に作りましたけど、あの倉庫自体は存在しないので、技術と監督によって全部で七箇所のいろいろな倉庫を寄せ集めた結果です」(野木氏)。
また、「演じるにあたって1番悩んだシーンは?」という質問に、エレナの「むしろ笑える」という台詞についての想いを述べた満島。そのことについて野木氏も呼応する。
ここで岡田は、「ロッカーのシーン」を上げた。「どういう表情であそこにいるべきなのか。孔として、まだ物語があるのでいまだに悩んでいる感じ。とても重要なので1番悩んだところかもしれません」。ここで野木氏は、「あそこは、私も“どんな表情をするんだろうな?”って楽しみで、監督と岡田くんがなんとかするだろうと思って、脚本は「……」と丸投げしました」と明かす。すると、岡田が「確かに「……」でした。塚原監督とは『ずっと水中にいる感覚で息ができていない状態のまま、あのロッカーの前にいよう』と話をしていたので、どこか溺れてしまう感覚を持ってやりました。うまくいったんじゃないかなぁと思います」とまとめた。
本作は、リピーターも多く鑑賞回数をマイル(1回=1マイル)で表現するのだとか。この日が14マイル目という観客もおり、満島と岡田から直にお礼を言われるだけでなく、「抱きしめたい」とエアハグもされて、とても感謝されていた。
映画『ラストマイル』予告編
映画『ラストマイル』公式サイトhttps://last-mile-movie.jp/
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満島ひかり『ラストマイル』主演に感無量!