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映画『ブルータリスト』孤独にひしがれた一人の男の半生を描く話題作

映画『ブルータリスト』孤独にひしがれた一人の男の半生を描く話題作

映画『ブルータリスト』(原題 THE BRUTALIST )は、移民として苦境にさらされ、欲望に弱く、孤独にひしがれた一人の男の半生を描く話題作。第二次世界大戦下にホロコーストを生き延び、アメリカへと渡った、ハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トート(エイドリアン・ブロディ)の30年にわたる数奇な半生を、監督・脚本を務めた36歳の気鋭ブラディ・コーベットが描き出した、215分にわたる壮大な人間ドラマだ。

映画『ブルータリスト』ポスタービジュアル
© DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVED. © Universal Pictures

主人公のラースロー・トートを演じるのは、『戦場のピアニスト』で第74回アカデミー賞(R)主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディ。ラースローと共に数奇な運命をたどることになる妻エルジェーベトを演じるのは、『博士と彼女のセオリー』で第87回アカデミー賞®主演女優賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズ、アメリカへ渡ったラースローの運命に大きな影響を与える大富豪ハリソンを演じるのは、『L.A.コンフィデンシャル』『メメント』などのガイ・ピアース。そのほか『憐れみの3章』のジョー・アルウィンや、ラフィー・キャシディなど、ハリウッドを牽引してきたベテラン実力派から注目の若手まで幅広い役者陣が顔をそろえている。

才能にあふれるハンガリー系ユダヤ人建築家のラースロー・トート(エイドリアン・ブロディ)は、第二次世界大戦下のホロコーストから生き延びたものの、妻エルジェーベト(フェリシティ・ジョーンズ)、姪ジョーフィア(ラフィー・キャシディ)と強制的に引き離されてしまう。
家族と新しい生活を始めるためにアメリカ・ペンシルベニアへと移住したラースローは、そこで裕福で著名な実業家ハリソン(ガイ・ピアース)と出会う。建築家ラースロー・トートのハンガリーでの輝かしい実績を知ったハリソンは、ラースローの才能を認め、彼の家族の早期アメリカ移住と引き換えに、あらゆる設備を備えた礼拝堂の設計と建築をラースローへ依頼した。しかし、母国とは文化もルールも異なるアメリカでの設計作業には多くの障害が立ちはだかる。ラースローが希望を抱いたアメリカンドリームとはうらはらに、彼を待ち受けたのは大きな困難と代償だったのだ――。

エイドリアン・ブロディは役作りについて、「『戦場のピアニスト』でシュピルマンを演じるときに行ったリサーチや役づくりが、今回ラースローを演じるうえでの基盤になっているのは事実です」と語る。そして、2人の主人公共に<アメリカに渡ってきた移民>であること、そして、写真家であった自身の母が<子供の頃にハンガリーから逃れてアメリカに渡ってきた>ことにも言及し、「ニューヨークのクイーンズ地区で、貧しいながらも両親とアメリカでの生活を築き上げてきました。そしてアーティストとしての声を獲得していったのです。この事実から、この映画『ブルータリスト』が僕には特別な意味を持った現実的な体験のように感じられたのです。同様に、観てくれる多くの人にとって共感できる内容であってほしい。先祖や家族が歩まなければならなかった苦しい道について。現在の位置を確立するまでの苦労の積み重ねについて目を向けてほしい」と思いを寄せる。さらに母国をはなれ新しい土地で人生をやり直す人々を映画で語ることについては、「非常に重要なことだと思います」と見解そしめし、「不幸なことに、歴史は僕らが望んでいたような変化をもたらしませんでした。この映画を観たことで、ラースローのような体験をしていない人でも、または直接的にラースローのような苦労をした人を知らなくても、闘争や告発などその他過酷な状況の母国を逃れることを強いられ、新しい土地でゼロからやり直さなければならない人々について、(本作を通して)理解してもらえればと思います」と話す。

第81回ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され銀獅子賞を受賞。第82回ゴールデングローブ賞受賞では作品賞(ドラマ部門)、監督賞、主演男優賞(ドラマ部門)を獲得。第97回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、編集賞、撮影賞、美術賞、作曲賞部門の合計10部門にてノミネートされている。

映画『ブルータリスト』(パルコ 配給/ユニバーサル映画)は2月11日[火・祝]よりTOHOシネマズ日比谷にて先行公開、2月21日[金]より全国公開
© DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVED. © Universal Pictures

映画『ブルータリスト』あらすじ・作品データ

ホロコーストから生き延び、夢溢れてアメリカに移住したラースロ・トート。才能ある建築家だった彼は、ある出来事をきっかけに失墜、日雇いの土木作業に身を投じる日々を過ごしていた。だが、裕福で著名な実業家ハリソンが偶然ラースローのそれまで携わった業績を知ったことで、ラースローの人生は大きく動き出していく。(R15+ 2024年/アメリカ、イギリス、ハンガリー映画/ビスタサイズ/カラー/英語、ハンガリー語、イタリア語、ヘブライ語、イディッシュ/5.1ch/215分 日本語字幕翻訳 松浦美奈)
監督・共同脚本・製作:ブラディ・コーベット/共同脚本:モナ・ファストヴォールド
出::エイドリアン・ブロディ、フェリシティ・ジョーンズ、ガイ・ピアース、ジョー・アルウィン、ラフィー・キャシディ

映画『ブルータリスト』予告編


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映画『ブルータリスト』公式サイト
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