[シネママニエラ]ファンタジー歴史劇『47RONIN』が全世界最速公開を迎えたことを記念して、「今でしょ!」で本年の流行語大賞受賞者とおなった東進ハイスクール・東進衛星予備校の現代文講師・林修氏が、映画の題材である「忠臣蔵」特別講義を行った。大石内蔵助の法被を着て登場した林先生は、この日が流行語大賞の発表後初のイベントとあって「予想以上の反響に驚いた」そうだ。
林修先生『47RONIN』公開に「今でしょ!」と「忠臣蔵」特別講義実施
林先生:よろしくお願いします。先日流行語大賞をいただいて初めての講座になりますが、先程ご覧いただいた(映画『47RONIN』)予告編で、大石内蔵介が言っていた「Time has come.」は日本語では「今でしょ!」という意味ですよ! ちなみに、みなさん忠臣蔵って知ってますか?(会場の美女からあまり手が上がらず)わかりました、今日は相当基礎からやらないといけないことを覚悟します(笑)。
まず、この映画は、赤穂浪士47人が吉良上野介へ討ち入りを行った「元禄赤穂事件」と呼ばれる世紀の大事件が基になっています。吉良と僕は誕生日が同じなんですがこの情報はいらないですかね(笑)。高家である吉良上野介に対し、赤穂藩の藩主、浅野内匠頭が突然刀で切りつける事件が発生するんです。なぜ浅野が吉良に切りつけたのかはいまだに分かっていないんですね。もちろん即日切腹されました。浅野内匠頭は赤穂藩の…今で言う社長的な立場の方なので、突然社長がいなくなってしまい、浅野の右腕だった大石内蔵助をはじめとした赤穂の武士たちは、全員浪人になってしまうんですね。
僕、現役講師なのに、この時期に浪人浪人言ってていいのか、最初はこの仕事をお受けして迷いました(笑)。
浅野が切腹したのは元禄14年なんですが、その翌元禄15年12月14日、赤穂の浪士47人が吉良邸に討ち入って敵討ちを果たしました。彼らの行為は復讐だし、現代で言うと相当な重罪ではあったんですが、同時に義士とも言われたんです。それでも復讐は終わらせるべきとして全員切腹をしました。
映画の中で「彼らの物語がこの物語の出発点である」という言葉がありますが、これはクールジャパンと呼ばれる今の日本に通ずるところがあります。世界中で話題となっている今の日本文化ですが、その史実をハリウッドのスケールで映画にするとこんなに壮大なエンターテインメントになるんだなと。
そこにキアヌ・リーヴスというスターを異端の浪人として絶妙な立ち位置において、真田広之さんとの友情を描くというのがいいですね。エンターテインメントなので、ラブストーリーを絡めないといい物語にならないと思いますが、キアヌ演じるカイと柴咲コウさん演じるミカの恋って言うのは、2つの要素が入っています。まずは極限状態での恋という事、そして禁断の恋という点ですね。まぁ、相手がキアヌですからくっつきやすいとは思うんですが(笑)。この2人の恋がどうなるかという点も、映画を観た方が考えさせられる結末になっています。
カール・リンシュ監督は「武士のスピリットを描くと言う点は変えたくない」とおっしゃっていたそうですが、それもしっかり描かれるし、日本の知らない日本を海外に教えてもらうグローバリゼーションな作品で、海外からは日本がこう見えているのか、という文化理解にも繋がると思います。この「元禄赤穂事件」を知るいい機会でもありますね。あっという間に終わる壮大なスケールのファンタジー作品で、忠臣蔵をベースに、その精神性が正しく再現された、この冬イチオシのエンターテインメントです!
あとは大石がいつ「今でしょ!」って言うか注目してください(笑)。
『47RONIN』いつ見るの?今でしょ! 誰を討つの?吉良でしょ!
原題=47RONIN
日本公開=2013年12月6日
配給=東宝東和
公式サイト http://47ronin.jp/
©Universal Pictures
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