[シネママニエラ]10月27日、第24回東京国際映画祭の特別招待作品である映画『セイジ-陸の魚-』の上映前舞台あいさつに、主演の西島秀俊と伊勢谷友介監督が登場した。伊勢谷監督は「見所は西島(秀俊)さんのボディ」と来場した女性層にPR。また記者会見にも出席し、「今は精神的に苦しい部分を感じながら生きている。その一助になるテーマだと思う」と作品にかける並々ならぬ思いを口にした。
伊勢谷にとって、俳優、監督、そして代表を務める“人類が地球に生き残るための”「リバースプロジェクト」は、同じぐらい大事だという。監督デビュー作『カクト』は、「自分のために作った作品」だと振り返り、8年ぶりで監督2作目となった本作は、「5年がかりの企画であり、その期間があったからこそ人生経験を積めたし、原作の持つ哲学的な要素を理解できたと思う」と述べた。同作は、人が人を救うことの難しさを描いた辻内智貴のベストセラー小説を基にしている。そんな本作の撮影は、「天候の70パーセントが雨。初日から全員でカッパを着て臨んだことで、一体感がでた」そうだ。そして「監督というのは、個々の能力を120パーセント出せるように場を作り、まとめていく立場。撮影前にたくさん話し合ったので、現場ではおとなしくしていた」と語った。
西島は、オファーを受けた時の気持ちを「徹底的に役作りする方々が揃っていて、そこに自分をキャスティングしていただいて光栄でした。伊勢谷監督が俳優の目で決定したのだと感じた」と語り、今回演じたセイジ役は「とてつもなくハードルが高い役」だったことが、出演の決め手になったという。難役を演じるために「現場では人と会話をせず、身体もしぼった」と明かし、満場の客席に対し「人を救うことについて、改めて真剣に考える機会を与えてもらった作品です。ご覧になったみなさんも、ぜひ話し合ってください」と、語りかけた。
伊勢谷監督は「現場で(西島さんを)演出することはほとんどなかった。西島さんは、難しいシーンをサラッと演じて、サラッと帰っていくので、なんてドライな方だと思っていた。今、話を聞いて影の努力があったのだと知った」と、西島のストイックな姿勢を改めて称えていた。そして、自身が映画『あしたのジョー』で身体をしぼって力石を演じた例を上げ、「(しぼるのは)僕のお株だと思っていたので、現場で驚きました。女性の方には、西島さんのボディを楽しんでいただくのもいいと思います」といった、見どころを語る場面も。
なおかつ、伊勢谷監督は「“心に傷を負った人が、どうやって次のステップに進めるのか?”といったテーマを描いていますが、本作の映像化をあきらめなかったプロデューサーがいたからこそ実現した」のだと、観客に同氏を紹介しつつ感謝を述べた。
この日がワールドプレミア上映ということで、西島と伊勢谷監督は最初こそ緊張の面持ちで舞台あいさつに登場したが、トークが進むにつれ和やかに。2人は満面の笑みを見せていた。なお、伊勢谷監督は(2作目という意味も含めて)ピースサインでフォトセッションに応じた。
日本公開=2012年2月18日
配給=ギャガ、キノフィルムズ
公式サイト http://www.seiji-sakana.com/
©2011 Kino Films/Kinoshita Management Co.,Ltd
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