[シネママニエラ]映画『麒麟の翼』~劇場版・新参者~の主演・阿部寛、新垣結衣、溝端淳平、田中麗奈、松坂桃李、三浦貴大、菅田将暉、そして土井裕泰監督が10月28日、第24回東京国際映画祭・特別招待作品の上映前舞台あいさつに登場した。その後、ご一行はグランドハイアット東京で行われた報告会見にも出席。劇場版で同シリーズに初参加した新垣は、「加賀(阿部)と松宮(溝端)から職質(職務質問)を受けるシーンでは興奮しました」と、自身も大ファンだというシリーズに出演した喜びを表現した。
本作は、直木賞作家・東野圭吾による“加賀恭一郎シリーズ”第9弾となる新作で、既にシリーズ最高傑作とも評されている極上のミステリーを映像化。東京・日本橋を舞台に、翼のある麒麟像前で発見された被害者男性に、何が起きたのかを解き明かしていく。主人公の刑事・加賀恭一郎を阿部が演じた同シリーズは、「赤い指」「新参者」がテレビ放映済。劇場版でメガホンを執った土井監督は、「シリーズの魅力は、ミステリーの面白さと普遍的な人間ドラマの融合にある。ドラマを未見でも、感情移入ができるように、心に深く訴えかけるように注力した」と語った。
阿部は、「家族の絆の物語で、確執や誤解から生まれた事件」と簡潔に語り、「2時間の枠の中で描かれる絶妙な人間ドラマ。加賀独特の捜査方法で、加害者・被害者、その家族といった外れた歯車のすべてをはめなおしていく人情味も魅力。人形町でのロケは半年ぶりでしたが、あたたかく迎え入れていただき幸せ。第二の故郷に帰った気分で撮影に臨めた」と撮影を振り返った。続けて「溝端が差し入れを頂きまして」と感謝の意を表したが、その口調からは、劇中の設定(従弟役であり捜査のパートナーを演じた)溝端を可愛がっている様子が伺えた。そして溝端が「阿部さんの背を見ると、何を考えているか分かるようになった」的に断言すると、即座に阿部が溝端に背を向け「今日はどう?」と問いかける一幕も。そんな世代を超えた名コンビぶりも、本作の見どころのひとつと言える。
そしてシリーズ初参加メンバーの新垣、松坂、三浦、菅田は撮影エピソードに言及。「謎が解けていくと、誰かを大切に思う心が浮かびあがるため、台本を読んで泣きました(新垣)」、「(阿部や中井貴一との共演は)台詞がとぶほど緊張した。現場での立ち方、役への取り組み方など学ぶことがたくさんあった(松坂)」、「台詞で、新垣さんから“もっとちゃんとして”と言われ、1週間ほど尾を引き落ち込んだ(三浦)」、「改めて親のありがたみを感じ、感謝した作品。同世代との共演は特別な刺激となった(菅田)」。
なお、主題歌が、歌姫・JUJUの20作目のシングル「sign(サイン)」に決定したことも明かされた。
「殺されても仕方がない人間なんていない」と考える加賀が、複雑に絡み合う謎をいかに解き明かすのか。これまでの東野原作でいえば、“ガリレオシリーズ”最高傑作の映画化である『容疑者Xの献身』と並ぶ傑作が、またひとつここに誕生した。
映画『麒麟の翼』~劇場版・新参者~
日本公開=2012年1月28日
配給=東宝
公式サイト http://shinzanmono-movie.jp/
©2012「麒麟の翼」製作委員会
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