井上真央×綾野剛×湊かなえ『白ゆき姫殺人事件』に見る「自覚なき悪意の怖さ」

[シネママニエラ]『告白』「贖罪」「夜行観覧車」『北のカナリアたち』と映画化・映像化が続くベストセラー作家の湊かなえ。彼女が昨年夏に発表した傑作サスペンス長編「白ゆき姫殺人事件」が、井上真央×綾野剛共演で実写映画化される。監督は『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』の中村義洋。脚本は林民夫、音楽は安川午朗。

同作は美人OL殺人事件を巡り、惨殺された被害者女性に疑惑の目が集まっていく過程と自覚なき悪意の怖さを描いていくもの。「小説すばる」での掲載と並行してWEBで関連資料がアップされるという新たな試みも話題となり、出版前から映画化のオファーが殺到していた。

日の出化粧品の美人社員の三木典子が何者かに惨殺された。容疑者は、事件直後に姿を消した同期入社の城野美姫（井上真央）。ワイドショー番組ディレクターの赤星雄治（綾野剛）は、美姫の同僚・幼なじみ・家族へ取材を重ねる。その証言には驚くべき内容が…。ネットや週刊誌報道を中心に、無責任な「噂話」が広まり、彼女の人物像はますます見えなくなっていく。果たして彼女は残忍な魔女なのか、それとも――。

映画『白ゆき姫殺人事件』ポスターは、赤星雄治、狩野里紗子（蓮佛美沙子）、三木典子（菜々緒）、篠山聡史（金子ノブアキ）、谷村夕子（貫地谷しほり）がそれぞれ思い描く、城野美姫の姿が手に持つスマートフォンに映し出されている。噂を伝える象徴的なアイテムであるスマートフォン画面を加えることで、噂が暴走する怖さ／面白さを表現してるという。