[シネママニエラ]2011年の山形国際ドキュメンタリー映画祭では『5頭の象と生きる女』題で上映され、山形国際ドキュメンタリー映画祭市民賞インターナショナル・コンペティション部門の2冠を受賞した映画『ドストエフスキーと愛に生きる』の劇場公開が決まった。
映画で知る世界――翻訳家の仕事と暮らし
84歳のドイツ語翻訳家の仕事と暮らしを追ったドキュメンタリー。翻訳家スヴェトラーナ・ガイヤーの横には、華奢な姿に不似合いな重厚な装丁の本が積まれている。「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」「悪 霊」「未成年」「白痴」――言わずと知れたロシア文学の巨匠・ドストエフスキーの長編作品。それらを“5頭の象”と呼び、生涯をかけてドイツ語に訳すのだった。
なお、本作について、ロシア文学者・翻訳家(罪と罰、カラマーゾフの兄弟、悪霊)の亀山郁夫さんは「翻訳の営みそのものが、日常生活のなかでの細やかな気配りと深くこだましあう。一つ一つが世界とのふれあいであり、言葉との交感でもあるかのようだ」とコメントを寄せた。
監督と脚本は、ヴァディム・イェンドレイコ。一人の女性が歩んだ半生にひっそりと寄りそう静謐な映像が、文学の力によって高められる人間の尊厳をたおやかに描き出している。
映画『ドストエフスキーと愛に生きる』予告編
2009年スイス、ドイツ合作映画/93分
原題=Die Frau mit den 5 Elefanten
英題=The Woman with the 5 Elephants
日本公開=2014年2月22日
配給=アップリンク
公式サイト http://www.uplink.co.jp/dostoevskii/
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