本年度アカデミー賞では5部門にノミネーションされている映画『ドラゴン・タトゥーの女』のデヴィッド・フィンチャー監督と、本作でヒロインのリスベットを演じ主演女優賞にノミネートされたルーニー・マーラが、来日し記者会見に出席した。なお、フィンチャー監督は、映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』以来2年ぶり3度目の来日、ルーニーは今回が初来日となった。
本作の原作は社会派ジャーナリストであるスティーグ・ラーソン著、全世界で6,500万部を売り上げたミステリー小説。本国で一度映像化されているが、この度再映像化したことについて、監督は「自分が実際に原作を読んだときに感じたことを忠実に描くように心がけました。あえてスウェーデン版との違いをつくろうとして作った訳ではないんです。スウェーデン版は一度しか観ていません」と前置きし、「映画ではキャラクターが何を考えているかを表現することが大事だと考えています。ただし原作すべてを映像にするのは難しいので、シチュエーションをいくつか選んで、その中でリスベットだったら、どのように振舞うか?を見せることで、観客にはそこから感じてもらえるようにしました。足したというよりも、引いていく作業でしたね。まるで砂金をふるいにかけて金だけを残すように、彼女の光り輝く部分を残すようにしました」と語った。
スウェーデンが舞台の原作ということで「同国で撮影する以外思いつきませんでした。ストックホルムは独特のデザインをもった街で、街が持つ雰囲気を作品に取り込むことができたと思っています。地下鉄の構造や、ラストシーンのミカエルのアパート前の石畳の道は、とても美しいショットが撮れました。あとはなんといっても寒さですね。作品を観て、スウェーデンの凍てつくような寒さを感じていただけるかと思います」と真面目にかたりつつも、実は開口一番は「(得られた効果は)雪がいっぱいあったこと(笑)」なんて、お茶目発言もされていました。
映像の魔術師らしく、オープニングはレッド・ツェッペリンの楽曲「移民の曲」とともに印象的な映像で世界観に引き込んでいく。「ティム・ミラーに『リスベットの悪夢を映像化してほしい』と依頼しました。それは抽象的でも、滑稽でもいい。体からいろんなものが出てくるようなもの。黒い漆がにじみ出てくるようなもの、とお願いしました。彼からは、75個くらいのアイディアを出してもらったのですが、そこから25個選び、8週間で創ってもらいました。もっと時間をかけたかったですね」と明かした。
次回は、期待の新星ルーニー・マーラのコメントをお届けします。
原題=THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO
日本公開=2012年2月10日
配給=ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト http://www.dragontattoo.jp/
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