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ミシェル・アザナヴィシウス監督「もし映画作りの秘策があれば苦労はない」

映画『アーティスト』監督らオスカー像と来日
作曲家、中谷、監督
[シネママニエラ]3月8日、第84回アカデミー賞作品賞に輝いたフランス映画『アーティスト』のジャパンプレミアが都内の劇場で行われ、約2時間前に日本に降り立ったばかりという、同作のミシェル・アザナヴィシウス監督と、作曲家のルドヴィック・ブールスが舞台あいさつに登壇した。

「もし映画作りの秘策があれば苦労はない」

この日のプレミアには、同作がオスカーで最多タイの5冠を受賞ということで、2つのオスカー像が燦然と並ぶ光景が。サイレント映画を演出した監督だけに、壇上では身体を使った表現も多々見受けられ、観客とのコミュニケーションにおいても見事な手腕を発揮。しかしながら「もし多くの人の心をつかむ秘策が分かっていれば映画作りの苦労はないです」と真摯に語った。

2人は、第19回東京国際映画祭にて、東京サクラグランプリを受賞した映画『OSS 117 カイロ、スパイの巣窟』(DVD題は、『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』)で初来日しており、6年ぶりの来日となる。「日本の震災の映像をフランスで見て、心を痛めていました」。「あの日から約1年、こうして本作を日本のみなさんに見ていただけることを嬉しく思います」とあいさつ。

同作は、古き良きハリウッドの黄金時代を舞台に、白黒&サイレントという手法で描き上げる、極上のラブストーリー。監督は「自分はサイレント映画のファンなので、その良さと感動を再認識してもらいたくて、真摯に誠実に心をこめて作りました」と製作経緯を打ち明けたが、フランス映画初のアカデミー賞作品となった要因等を求められると「もし多くの人の心をつかむ秘策が分かっていれば、映画作りにおける苦労はないです」という本音を吐露。

それから、同作に欠かせない楽曲を担当した、ブールスは「音楽でキャラクターの心情を表すという重責を担い、とても苦労しました。ミシェル(監督)との仕事は毎回大変(笑)。けれども、またぜひ一緒に仕事をしたいです」と、再タッグ宣言。それには「こうした挑戦的な作品を世に送り出そうと、資金繰りに奔走してくれるプロデューサーのトマ・ラングマンという存在があってこそ」だと、成功の裏にある製作の苦労を伺わす発言も。

そして、花束贈呈ゲストとして中谷美紀が作風に合わせた髪型と白×黒の装いで来場し、「映画への愛がつまっている」などと本作を大絶賛。女優ならではの鋭い視点を生かした質問を積極的に投げかけて、“よくぞ気づいてくださいました!”とばかりに監督と作曲家が感激し、ブールスからは「サントラをプレゼントします」の発言を引き出すことに成功。 また、オスカー像を監督が中谷に手渡し、2人が像の“奪い合い”を展開するというお茶目な場面も。司会者から感想を問われた中谷は「お米を買って帰る感覚の重さです」と、映画界の最高峰の賞の証を手にしつつ、観客に伝わりやすい庶民的な表現をして客席を沸かせた。

英題=THE ARTIST
日本公開=2012年4月7日
配給=ギャガ
公式サイト
©La Petite Reine – Studio 37 – La Classe Americaine – JD Prod – France 3 Cinema – Jouror Productions – uFilm
オスカー像=©A.M.P.A.S.(R)

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