レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット主演、世紀の超大作として世界中を魅了し第70回アカデミー賞を最多11部門で制した映画『タイタニック』が、ジェームズ・キャメロン監督自らの指揮によって映画『タイタニック 3D』として15年ぶりにスクリーンに登場する。4月4日の先行上映、4月7日の劇場公開を前にジェームズ・キャメロン監督と製作のジョン・ランドーが来日。監督は「2Dから3Dへの変換は最適な方法を用いるべき」などと持論を語った。
会見の冒頭で東日本大震災に対する追悼も言葉にしたキャメロン監督。今回の来日は、262億円という未だ破られぬ洋画興行収入記録を叩き出した日本に、改めて“感謝の意”を表したいという監督の強い意志から決定した。
映画『ターミネーター2』は3Dに適した題材
映画技術に一家言を持っている監督は「2Dから3Dへの変換は最適な方法を用いるべき」と強調し「3Dの効果を求めるなら最初から3Dとして撮るべき。ただし、過去の2D作品に関しては変換を用いるしか術がない。でも、その作業はアルゴリズムで行えるものではない。1フレームの1ピクセル毎に質感を持たせる。例えば、髪の毛1本1本に手作業で立体感をつけていく。それにはさじ加減が大切で、人間の目、脳、心といった感覚があってこそ可能なんだ」と饒舌に語る。そして「この話題は1日中でも続けられるよ」と、会見の間は終始ご機嫌だった。
本作の3D変換について。「タイタニック号の就航と悲劇の事件から100年、再び注目を集めたいと思った。3Dというとアクションだけに注目しがちだが、実はドラマ部分においても観客に訴える力が増すようだ」と語る。
それならば、過去作の『アビス』『エイリアン』『ターミネーター』シリーズの3D化は?と問われると、「現時点では考えていない。けれども特に『ターミネーター2』は3Dに適した題材だと思うし“カッコイイ3D”になるはず。『タイタニック 3D』の反応次第で検討したい」との嬉しい発言も。
冒険家の顔も持つ監督は、この3、4日前にはマリアナ海溝の最深淵で3D撮影し、シベリアを通ってロンドンで本作のプレミアに出席、そしてモスクワを通って日本へという行程で世界を移動。「ここは日本で合っているよね?」と確認をとるほど、「今の日時が分からない」のだと笑顔で述べた。そして、リスクを負いながらも冒険に臨む理由に言及。「技術は日進月歩だ。カメラの改良も積極的に行ってきた。ただ危険なだけの冒険には興味がない。リスクを負ってまで得るものがあればこそ、学術的な価値がある冒険に惹かれるんだ。例えば火星ロケットにしても、資金があれば挑みたい」と少年の顔を見せるのだった。
原題=Titanic 3D
日本公開=2012年4月7日
配給=20世紀フォックス映画
©2012 Twentieth Century Fox
あの『タイタニック』がこれほど3Dに適した題材だとは! 当時から3D化を意識していたとしか思えない仕上がり。再体験の人にもさらなる感動をお約束、そして未体験の人には是非あの感動を味わってほしい。
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