5月12日、映画『レンタネコ』の初日舞台あいさつがテアトル新宿にて行われ、出演者の市川実日子、草村礼子、光石研、山田真歩、そして荻上直子監督が登壇した。
主演の市川は「荻上監督は、『めがね』の時と比べて『トイレット』では言葉で的確に演出していたとお聞きしていたので、今回『レンタネコ』でもきっと的確な言葉で演出されるかと思っていたら、あまり『めがね』と変わらず（笑）。感覚のキャッチボールで演出されていました」と述べると、荻上監督は「市川さんは、普通の人じゃないと思っています（笑）」と応酬。そして「その、おもしろいユニークなところが前面に出るといいなと思って、今後、間違いなく素敵な女優さんになられる一歩手前を撮らせていただきました」と語り、監督と主演間で“あ・うんの呼吸”が成立していることが伺えた。
荻上監督といえば、映画『かもめ食堂』『めがね』『トイレット』等の独自の世界観に定評があり、本作では「ネコのレンタル」という着想から人間ドラマを紡いでいる。 なお同作には、登壇者のほかに田中圭、小林克也も出演。荻上監督は、ふたりについて言及。「田中さんは、かっこいい！どうしよう、目を合わせられないという感じでした。ものすごく勘のいい方で、私が少し言うだけで何倍にも良くして返してくださいました。素敵な青年で、一緒に飲みたいなと思いました」と照れ笑い気味に。
そして「小林さんはアイデアマン。“変なおばさん”が、いつも最後に変な歌を歌って帰るというのも小林さんのアイデアです。あの歌は小林さんのオリジナルで、その場で歌ってくださいました。本当に素敵な可愛らしいおばさんになってくださったので面白くなりました」と褒め称えた。
この日、撮影を振り返るも、話題は自然と猫との共演話に。市川は「今まで猫と接する機会がそんなになくて、今回ほぼ初めて。現場には招き猫を含めて17匹いて、みな性格が違いました」と語れば、草村が「市川さんは猫と兄弟みたいで18匹目の猫みたいでした。監督・スタッフ全員が猫を愛している現場にいたから、本当に猫が自由に動いていました」とコメント。さらに光石は「僕が契約書にサインをするシーンで、共演した猫も契約書を見るという奇跡的な動きをしていたので、後から見てビックリしました」と天才ネコの存在に感心しきり。
「レンターネコ、ネコ、ネコ。さびしい人に、ネコ、貸します」。心にぽっかり穴ぼこが空いてしまうこと、ありますよね。映画『レンタネコ』はそういう心にそっと寄り添ってくれる物語です。
日本公開＝2012年5月12日
配給＝スールキートス
公式サイト http://rentaneko.com/
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