[シネママニエラ]日本映画の発祥の地とされる京都、その由緒ある京都で日本最古の歴史をもつ劇場として、国の登録有形文化財である南座に於いて8月18日、山田洋次監督の50年の軌跡を映像と展示・体験を通して完全紹介するイベント「山田洋次の軌跡~フィルムよ、さらば~」のオープニングセレモニーが催された。
セレモニーに出席した山田監督は、「この南座は、日本で最高の芝居小屋でもあります。その最高の芝居小屋で、私の全作品をフィルムで上映して頂けて、私はとても嬉しく、光栄に感じています。フィルムでしか味わえない独特のスクリーンの味わいを、ぜひ感じて頂きたいと思います。もともと映画を上映する設備はないわけですが、私のもっとも信頼する業者の皆様にお願いし、完璧な状態で映画を楽しんでいただけます。このような機会は、今後もう無いかもしれません。2ヶ月近く行われるので、この素晴らしい南座という劇場を見て頂くだけでも、楽しんで頂けるのではと思っています」と、ご挨拶。
南座には、横11メートル×縦4.5メートル(約460インチ)の大スクリーンを舞台に設置し、2階席中央部にはカバーや囲いを一切設けず35ミリフィルム映写機を設置。上映前の館内アナウンスが「場内が暗くなりますと二階席の方から“カタカタカタ”という音が聞こえて参りますが、それは映写機の音でございます。映画の上映がフィルムからデジタルに代わりますと、この音は今後、劇場で聞くことができなくなります。それでは、懐かしい映写機の音とともに上映をお楽しみ下さい」とながれ、ゆったりとフィルム独特の味わいとノスタルジーあふれる空間へといざなう。
フィルム上映以外にも、南座の花道と本舞台で体験できる“映画セット体験”、特別編集映像、“山田監督を支えたモノたち”として展示総数300点を超える特別展示物などもあり、映画ファン、演劇ファンともに楽しめる特別なイベントといえそうだ。
そんな山田監督の監督81作目となる新作『東京家族』は、日本映画界の巨匠・小津安二郎監督に捧げる作品で、2013年1月19日に公開予定。
映画『東京家族』予告編
映画『東京家族』
日本公開=2013年1月19日
配給=松竹
公式サイト www.tokyo-kazoku.jp
©2013「東京家族」製作委員会
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