宮﨑あおい

ブーム到来?! 宮﨑あおい×大沢たかお『おおかみこどもの雨と雪』を語る

映画会見/イベントレポート 溺愛×偏愛シネマ

ブーム到来?! 宮﨑あおい×大沢たかお『おおかみこどもの雨と雪』を語る

[シネママニエラ]公開17日間で観客動員数135万人を超えた映画『おおかみこどもの雨と雪』大ヒット御礼舞台あいさつが東京・有楽座にて行われ、声を務めた宮﨑あおい、大沢たかお、そして細田守監督が登壇した。宮﨑は「今まで(細田)監督が作ってこられた作品があったからこそ」と、映画『時をかける少女』『サマーウォーズ』と本作により着実にファン層を広げている監督を労う場面も。

宮﨑あおい
宮﨑あおい

親子の普遍的なテーマを描いている

大ヒットの要因を問われた宮﨑は、「今まで監督が作ってこられた作品があったからこそ。(本作では)親子の普遍的なテーマを描いている部分もあるので世代を問わず共感していただけているのかなと思います」と分析。一方、大沢は「僕は細田監督の一ファンであり、(観客として)映画館に行くほど。どこが?と言われると困るけれど、すごく好きなんです。この作品を観て心が綺麗になった感じがしたので、僕はそういうところがすごく好き。『皆さんはどんなところが好きなのかな?』と想像しています」と、客席に笑顔で語りかけた。

ところが細田監督は「優秀で素晴らしいスタッフ、キャストのおかげ」と謙遜気味。3年間の歳月をかけて、一つ一つコツコツと丁寧に撮った結果だと打ち明け、「ノンブランドな作品で、有名な原作がある訳でもない。皆さん観てくださった一人一人感じてくれて、それを身近な方々に広げていただいたおかげ」と感謝の気持ちがこもっていた。

映画界では吸血鬼題材の恋愛モノがブームとなっているが、ここにきて狼もしくはオオカミ男の存在が大きくなりつつある。この日は、本作の内容にからめて、もし自分がおおかみこどもだった場合、どうするかという話題に。おおかみおとこと恋に落ちた花の声を担当した宮崎はしっとりとした口調で、「私は今はおおかみです。基本的には今まで出会ってきた人に、また出会いたいと思っているので人間がいいです。でも最近、自然がすごく好きで、自然の中にいると落ち着きますし、深い緑を見て美しいと感じるようになったので。おおかみになって自然の中にいられたら幸せだなと思います」。

ブーム到来?! 宮﨑あおい×大沢たかお『おおかみこどもの雨と雪』を語る
大沢たかお、宮﨑あおい、細田監督

おおかみおとこの声を担当した大沢は、「この作品を収録している時は、おおかみをすごく好きになりたいと思っていて、おおかみになりたいなとずっと考え続けていたんです。でも、自分が作品に出る役目を終えて時間が経って、たくさんの方に映画を観ていただいたことやオリンピックとか、頑張っている姿を見て、人間ってすごく素敵なんだなと思いまして」と述べ、なおかつ「おおかみには映画を作ることはできないので」というユーモアも交えると、客席から笑い声も。

そして、細田監督は人間とおおかみのどちらの世界を選ぶか、場内は静まり耳を傾けるなか、こう答えた。「おおかみは人間の心の一面を表す、すごく人間に近い動物。大好きなんです。一度おおかみになって『映画はどうでした?』と聞いてみたい、という意味で。ちょっとおおかみになってみたいです(笑)」というクリエイターの情熱に感心させられたが、このような二者択一せねばならない状況は、大人になるほど選びにくくなる感じがした。

日本公開=2012年7月21日
配給=東宝
©2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

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