[シネママニエラ]格差社会の歪みの中でもがく若者たちのリアルな姿を、真正面から暴く衝撃作『東京難民』のトークイベントが1月27日に行われ、佐々部清監督と原作者の福澤徹三氏が出席した。
中村蒼扮する大学生は、父親の失踪を機に、授業料未払いで大学を除籍され、アパートからも強制退出され、ネットカフェに泊まりながら日払いのバイトで食いつなぐが……。
佐々部監督は「(この作品は)テレビではやれない、映画ならではの企画だと思いました。今の若者は夢を語ることがない。『東京難民』は今の日本に精通する作品であるかなと思います。最初は、若者に見てもらいたいとの思いで作っていましたが、若者だけでなく中高年にもありえる話で、僕らと同世代の人にも見てもらいたいと思っています。エンターテイメント映画ですが、そこを通じて社会問題にも注目してもらいたいです」と強調。
作家になるまで20種類以上の仕事に就いた経験がある福澤さんも「私は多くの仕事を経験して社会を勉強してきましたが、専門学校で講師をしていた時に、若者が就職に関して深く考えず、すぐに退職してしまう構造が出来てしまっていた。そんな世間知らずな若者に向けて、小説という形で経済を伝えたいと思い原作を書きました。映像化と聞いて、原稿が千枚もあるこの話がどうなるのか気になっていたが、形になっていてびっくりしました」と吐露する。
NPO法人POSSEの川村遼平事務局長は「この映画を見て、リアルでありえる話だなと思いました。学校に労働法などの授業で呼ばれることがあるので、その時に教材としてすごく使える作品だと思いました。若い人達にも広めたい一方、家族や仕事を失っていく様子を中高年にも知ってほしいと思う。情報を持っていない若者を手助けしたい僕らと同じテーマをエンタメとして取り上げてもらえてよかった」と述べた。
映画『東京難民』は2月22日有楽町スバル座ほかにて全国ロードショー!
2013年日本映画/2時間10分
日本公開=2014年2月22日
配給=ファントム・フィルム
公式サイト http://tokyo-nanmin.com/
©2014『東京難民』製作委員会
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