橋本愛、樹木希林、松坂桃李

樹木希林「男の嫉妬もすごいの」と映画『ツナグ』で孫役の松坂桃李にアドバイス

映画会見/イベントレポート 溺愛×偏愛シネマ

樹木希林「男の嫉妬もすごいの」と映画『ツナグ』で孫役の松坂桃李にアドバイス

[シネママニエラ]直木賞作家・辻村深月の同名小説を基に映画化した『ツナグ』が完成。松坂桃李と樹木希林が挑んだのは、一生に一度だけ、亡くなった人と会わせてくれる使者=ツナグという役割を果たす祖母と孫という役どころ。この日は、松坂と樹木のほかに桐谷美玲、橋本愛、大野いと、遠藤憲一、八千草薫、平川雄一朗監督が登壇した。

橋本愛、樹木希林、松坂桃李
橋本愛、樹木希林、松坂桃李

完成会見と舞台あいさつで松坂は、「僕の今後の役者人生10年、20年経って、振り返った時に『ツナグ』という作品があったからこそ、今の僕はいかされている!と思えるぐらい財産です」と述べた。そんな孫役の松坂に樹木は「(松坂が、本作における)女性同士の関係が『恐ろしい』と言うけれど、男の嫉妬もすごいの。世の中に出ればいろいろ分かりますけど、うまく成長してもらいたい」と知恵を授けた。

美しい女性を追い詰めた甲斐あり?!

会見での樹木は「すくすく育った孫を持ったおばあさんをやりました」としおらしくコメント。しかしながら「監督が一番力を入れたのは、この3人(桐谷、橋本、大野)の綺麗な女性のところだけ。もう粘って粘って、もうOKでいいんじゃないかと、すごかったです。でも、美しい女性をあれだけ追い詰めてやったかいはありまして、この映画の力になっています。監督が個人的な趣味で粘ったようなところもありますけれども、若い人たちの芝居はぜひ観てください」と強調し、その裏話を含めた樹木節に満場の会場が沸いた。それに「目に見える世界しか信じない時代になりました。ちょっとこの映画を観て、目に見えない世界と交信して感応していただければと思います」と、しっかりPR。

映画『ツナグ』試写会舞台あいさつ
映画『ツナグ』試写会

「美しい女性を追い詰めた甲斐あり」という、さすが大ベテランの樹木のコメントは的を射たものであり、特に橋本と大野のパートがしっかりしたことで、各エピソードのバランスがうまく取れている。本作でふたりが演じたのは、演劇部に属する親友同士だが、新たな演目の主演をめぐり仲たがいするという設定。橋本は「(大野はライバルではなく)戦友。撮影日数は確か18日間ぐらいだったと思います。そんな短い時間で必死に作り上げました。出来あがりを観て、この映画は生きる権利を与えてくれるんだろうな、と思いました」などと、撮影を振り返った。

そして大野が続けて、撮影での思い出を語りだしたところ、「お芝居の話ではないんです」と脱線。「撮影の後半で、叙々苑の焼肉弁当が出たんですが、私は監督から『食べるのはスープだけに』と言われて、スープしか飲みませんでした」と、かわいらしく吐露。すると監督が、「そういう役柄なので。(指示した以上)僕も食べませんでした」と初めて明かしたらしく、それを耳にした大野は感激しきりだった。

最後に司会から、映画の内容に絡めて「たった一人と一度だけ会うならば誰に会いたいか?」と問われた。

松坂:宮本武蔵。いずれ自分がやってみたいからです。
樹木:私は生きているうちに十分付き合ったので、誰もいません。
遠藤:高校時代の恩師。俳優になったきっかけでもある。
桐谷:沖田総司。(今夏に舞台で沖田総司を演じ)剣術を直伝して頂けたら。
八千草:会いたい人はいますけれども、切なくなるので言いません(笑)。
橋本:今の時点で会いたいなと思う人はいないです。
大野:大塩平八郎。歴史上の人物で一番好きだから。
平川監督:亡き父。借金を返済できぬままなので謝罪したい。

日本公開=2012年10月6日
配給=東宝
©2012「ツナグ」製作委員会

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公式サイト
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