[シネママニエラ]アクション・ヒロインの筆頭である、アンジーことアンジェリーナ・ジョリーが、「いままでよりもタフで激しいアクション」だと、断言したのがクライム・スリラー『ソルト』で演じた、イヴリン・ソルト役。約1年半ぶりに来日したアンジーは、『ソルト』で描かれるスパイの世界についてや、もともと男性が主人公となっていた脚本の変更に関わっていたことを口にした。
映画『ソルト』アンジェリーナ・ジョリー来日会見
ロシアの亡命者による証言で、二重スパイの嫌疑がかけられたCIA諜報員のソルト。果たして彼女の素顔は、作戦実行までは普通の市民として生活するロシアの工作員=スリーパーなのか……。
『ソルト』はトム・クルーズが降板したことで知られる作品。アンジーは双子を出産し「母性愛が溢れてきて柔らかな気持で脚本を読んだの。最初の脚本では主人公は男性として描かれていたわ。とてもアグレッシブでアクティブな内容で、当時の柔らかな気持ちとバランスがとれるなと思ったので」出演を決めたという。ただ、そのときの結末は、「妻と子供に『愛してるよ』と告げる展開で、潔白を証明するため逃げ回っていたという設定。主人公を女性にしたことで、私も脚本の練り直しに加わり、ラストを決めたんです」と、本作での予期しがたい結末づくりに関わっていたことを明かした。
先ごろ露スパイ団事件で、美人スパイら追訴の報道があったことにも言及する。「映画に出演するにあたって、実際の女性スパイといわれる人たちにも会いました。みなさん私生活で秘密が多く、孤立した立場になりがちとのこと。相当な愛国心がないとできない仕事だと感じました」。
また、事実関係の質問がでると、「脚本が現実に即しているかというよりも、映画にリアリティを感じていただけるという点が大事だと思っています。この映画をご覧になったCIAの方でも50パーセントの方は実際に「ある」と言い、50パーセントの方は「ない」言うくらい論議されるほど。なので、事実に即しているということよりも、起こりうる可能性があるということが大切ですね。また実際の事件のニュースを聞くと、やっぱりあり得るんだなと強く感じました」と、微笑みを絶やすことなく、真摯に語る場面も。
『ソルト』は、「いままでよりもタフで激しいアクションなのよ」本作の見どころや出演を経ての感想を、「ポイントは、規則に従うように生きてきた女性が、いろんなことを自分で考えて選択して、本当の自分自身を見つけるというところ。これまでも私自身そのことは意識してきましたが、それを改めて自覚し、学ぶ機会になりました」と述べた。美しいだけでなく、聡明さを兼ね備えた、アンジーの魅力が如何なく発揮された来日会見となった。
アンジェリーナ・ジョリー『ソルト』インタビュー(日本語字幕なし)
映画『ソルト』予告編(日本語字幕なし)
原題=SALT
日本公開=2010年7月31日
配給=ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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