[シネママニエラ] 映画『アフター・アース』のプロモーションで来日中の父子鷹(おやこだか)ウィル・スミス、ジェイデン・スミスが2013年5月2日、ザ・リッツ・カールトン東京にてマスコミ向けのフッテージ上映会と記者会見を行い、抜群なコンビネーションを示した。
巧みなトークとサービス精神に溢れた場を提供することでも有名な父親ウィル譲りで、息子ジェイデンも檀上からフロアに降りて、来場していた東京都北区立桐ヶ丘中学校の生徒と交流したり、床の上で身体を転がすという戦士アクションのパフォーマンス(写真:下段)を披露したりした。
そんなジェイデンが唯一かすかな抵抗を示したのが、こちらの腕でハートをつくるポージング。ウィルが提案し「ほら!」と手を差し出しても、ジェイデンは思春期特有の恥じらいか聞こえないふり、クールに手をポケットに入れたまま。ウィルがおもむろにジェイデンの手を誘導(写真:上段)して、この形となったけれども、14歳の素顔をチラリと垣間見た瞬間でした。
『アフター・アース』の原案はウィルによるもの。その着想は、約2年半前にウィルがプロデューサーを務めて、ジャッキー・チェンとジェイデンによる『ベスト・キッド』を撮影していたときに感じた「(ジェイデンの)父親は俺だぞ!」というジェラシーが発端だと明かす。というわけで、劇中の設定では父子だが、なんとふたりの共演は2シーンしかないのだとか。
物語は、人類が地球から別の惑星に移住し1,000年の時が経過した未来で、伝説の兵士とその息子が宇宙船で地球に不時着し、地上に放られてしまった遭難信号を出すビーコンを回収する危険なミッションに臨むサバイバルを描くもの。その危険とは地球そのもので、すべてが人間を襲うように進化しているためだという。それらは人間の恐怖心を感知するため、自制することで封じるゴースティング術で対峙する。
「僕はずっと船外で戦っていて、(負傷した)お父さんはずっと宇宙船の中。指示を出しているのはお父さんだけど、行動を起こしたのは全部僕のキャラクターだし(笑)」と冷静に語るジェイデン。すらすらと語る息子を誇らしげに見つめるウィルだが、言葉では「でもギャラは父さんの方が多い!」と応酬し、会場を笑いに包むのだった。
その一方で『幸せのちから』から7年ぶりの親子共演については真面目にコメント。ウィルが「ジェイデンは感情のコントロールがうまくなった。以前だったら難しいシーンを演じた後にその感情を引きずることがあったけど、今回はそんなことがなかったね」と褒めると、ジェイデンも「父の作品作りに対する真剣さと情熱に幼いときは気づかなかった。映画はいつまでも残るものだから、本当に面白くてパーフェクトな作品にしようという信念を実感した」と敬っていた。この日の会見は期待通り終始ユーモアに溢れており、ウィル・スミスの優れたDNAが、確実に息子に継承されていることが伺えた。 父子の信頼関係は、必ずや映画『アフター・アース』に注がれていくことだろう。
原題=AFTER EARTH
日本公開=2013年6月21日
配給=ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
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