同作は主人公のモデルとなったのは後に神話と化したゼロ戦を設計した堀越二郎と、同時代を生きた文学者、堀辰雄。この2人の人生を融合させ、技師としての生き方や薄幸の少女菜穂子との出会いなどを、完全フィクションとして描くもの。
宮崎監督は主人公のイメージとして3点―「早口である」、「滑舌がよい」、「凛としている」―をあげていた。適任者を探し会議を重ねる中で、鈴木敏夫プロデューサーから庵野が候補にあがる。1984年公開の映画『風の谷のナウシカ』で巨神兵シーンを描いて以来、宮崎監督を師と仰ぐ庵野。声優と聞き「最初から断ることはできない」とオーディションに参加。そして、声を聞いた宮崎監督から満面の笑みで「やって」と直々の依頼があり、初の主人公役声優に挑戦することになった。
スタジオジブリにて4月中旬から始まったアフレコ収録の序盤では、「難しい」を連発した庵野。そのため通常は離れたブースから指示を出す宮崎監督がスタジオに降り、庵野さんの真後ろから声をかける形でアフレコはスタートしている。宮崎監督から「うまくやろうとしなくていい。いい声だからでなく、存在感で選んだのだから、それを出さなくてはならない」とのアドバイスが出されました。その一言を聞いた庵野さんは外国語や声を張るシーン等にも果敢に取り組み、人を背負うシーンでは実際に手を後ろに回して声を出すなど、体も動かしながら調子を掴んでいった。
庵野は、4日間に渡ったアフレコ収録を通じ“二郎”という役どころをすっかり掴んだ様子。ヒロインとの愛をささやくシーンにいたっては現場に居合わせた全員が息をのむほどの完成度の高さを見せ「一発OK」。宮崎監督の満足の笑みが光る現場となった。
日本公開=2013年7月20日
配給=東宝
公式サイト http://kazetachinu.jp/
©2013 二馬力・GNDHDDTK
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