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<新海誠監督>映画『言の葉の庭』で「踏み止まるわけにはいかない」

映画会見/イベントレポート

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[シネママニエラ] 映画『言の葉の庭』公開記念のトークショーが5月10日、アップルストア銀座にて行われ、新海誠監督がアニメと技術(テクノロジー)の未来について語った。以下、コメント抜粋。

作ることを楽しくしてくれる技術を求ム!

新海誠監督「アニメーション映画『言の葉の庭』には、絵としての見どころがたくさんあって、「発明」と言えるような表現技術も盛り込まれています。そもそも僕は初めから、制作動機として技術がありました。パソコンがなければ、映画は作っていないです。今回の作品は雨がテーマだから、デジタル技術で雨を作っています。キャラクターなんかは最初に紙に書くんです。それで、「1カットに100枚だとさすがに多いな」となると、カット毎の枚数を減らしていく。それなのに、デジタルで作った雨は10万粒あったりするんです。「もう2万粒 足すか」とか言ったり (笑)」

映画『言の葉の庭』作品情報・予告編

新海誠監督「『彼女と彼女の猫』(1999年制作)で使っていたMacintoshと比べると、パソコンのスペックはこの10年間で本当に上がった。だけど、制作のスピードは一向に上がりません(笑)。求められるスペックが上がってきているんですね。フレームレートもそうです。1秒15コマで作った『彼女と彼女の猫』は今でも問題なく見られるし、最近採用している1秒24コマにも多くの利点がある。とは言え、現状のフレームレートに留まっていては、将来的に日本のアニメだけがカクカクしてしまう可能性もあるから、踏み止まるわけにはいかない」

新海誠監督「これからはテクノロジーの進化も含めて、ますますアニメの将来を考えなくてはならないと思うし、『言の葉の庭』はそういう風に考えるきっかけになりました。ソフトをはじめとする便利なツールのおかげで、アニメの設計図であるビデオコンテは作るのが楽しくなりましたね。「作ることを楽しくしてくれる」というのが、僕が技術に求めるところです」

新海誠監督「僕は、今あるものをどういう風に噛み砕こうか、という気持ちの方が大きいんです。将来どうなるかを考えてもしかたない。「次回作がどうなるか」とうことをよく聞かれるけれど、『言の葉の庭』が公開してみないと、次にどこに進むかは分かりません。Twitterでもメールでも、観ていただいた方に声を上げてもらえれば、次に進む道が明確になっていくと思います。とは言え、「良いものができた」という今の満足感を抱えたまま、人生を終えたい気もしますけどね(笑)」

映画『言の葉の庭』は、現代の東京を舞台にした、万葉集に着想を得た、孤悲(こい)物語で、雨の季節に日本庭園で出会った、靴職人を目指す少年と歩き方を忘れた女性の姿を描いていくもの。

新海誠『言の葉の庭』予告編

©Makoto Shinkai/CoMix Wave Films

【南的見所はココ】初見で本作予告編の映像美に心を奪われました(自宅PC)。さらにスクリーンで本編を拝見したところ、雨の描写が詩のようです!

日本公開=2013年5月31日
配給=東宝映像事業部
公式サイト http://www.kotonohanoniwa.jp/

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