[シネママニエラ]アカデミー賞俳優の故フィリップ・シーモア・ホフマンさんが遺した最後の主演作『A MOST WANTED MAN』の邦題が『誰よりも狙われた男』に決まり、2014年10月より日本で公開されることがわかった。映画『コントロール』『ラスト・ターゲット』で知られている本作のアントン・コービン監督は「彼がこの映画を本当に誇りにしていたことを僕は知っている」との遺志を代弁している。
現代スパイの真実が明らかに
同作はジョン・ル・カレ著の傑作ミステリーの実写化。冷戦時代の東西対立の構図ではなく、テロ対策を軸にした現代の諜報戦をリアルに描き出している、従来のスパイ物と一線を画す内容だ。
2014年2月2日、急逝したホフマンさんは46歳の若さだった。本作でホフマンさんが演じたのは、ドイツ・ハンブルクの小さなテロ対策スパイチームを率いる男、ギュンター・バッハマン。酒とタバコを手離さず、組織との軋轢と闘いながら、己の信念を貫こうとする男。バッハマンの孤高の凄みや哀愁、人間臭さを、『カポーティ』や『ザ・マスター』に匹敵する深みある演技で観る者を惹きつけていく。
共演者には、ハンブルクの国際金融界を代表する、英国人銀行家トミー・ブルー役のウィレム・デフォー。CIAマーサ・サリヴァン役のロビン・ライト。理想主義者の人権弁護士アナベル・リヒターにはレイチェル・マクアダムス。また、重要な役どころイッサ・カルポフ役は、ロシア出身の俳優グレゴリー・ドブリギン。コービン監督が「彼は掘り出し物だった。無名の素晴らしい俳優を見つけ出せたことは幸運だった」と語るほどの適材。そして、バッハマンの忠実な右腕となるイルナ・フライ役にドイツ女優のニーナ・ホス。バッハマンチームのマキシミリアンをドイツ俳優ダニエル・ブリュール。知的で高品質のエンターテインメントが日本上陸する。
映画『誰よりも狙われた男』は2014年10月よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
映画『誰よりも狙われた男』あらすじ
ドイツの港湾都市ハンブルク。諜報機関でテロ対策チームを率いる練達スパイのギュンター・バッハマンは、密入国したひとりの若者に目をつける。彼の名前はイッサ。体中に拷問を受けた無数の傷跡があり、イスラム過激派の容疑をかけられ国際指名手配されていた。
映画『誰よりも狙われた男』予告編
アメリカ、イギリス、ドイツ合作映画/122分
原題=A MOST WANTED MAN(2013)
日本公開=2014年10月17日
配給=プレシディオ
公式サイト http://www.nerawareta-otoko.jp/
©A Most Wanted Man Limited / Amusement Park Film GmbH ©Kerry Brown
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2014年7月14日 掲載
2015年3月2日 更新