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【溺愛×偏愛シネマ】『ミレニアム』3部作、悪の連鎖を断ち切れ!

『ミレニアム』シリーズ

『ミレニアム』シリーズ ©Yellow Bird Millennium Rights AB, Nordisk Film, Sveriges Television AB, Film I Vast 2009

映画「ミレニアム」シリーズの続編『ミレニアム2 火と戯れる女/THE GIRL WHO PLAYED WITH FIRE』と『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士/THE GIRL WHO KICKED THE HORNET’S NEST』が、いよいよ公開! 原作は、北欧の社会派ジャーナリストである、スティーグ・ラーソンの同名小説。映画版第1章のニールス・アルデン・オプレウ監督から、映画版第2章、第3章は『刑事マルティン・ベック/バルコニーの男』のダニエル・アルフレッドソン監督にバトンタッチ。

『ミレニアム3眠れる女と狂卓の騎士』 ©Yellow Bird Millennium Rights AB, Nordisk Film, Sveriges Television AB, Film I Vast 2009
映画『ミレニアム』続編公開! 正義の味方はなぜ堕ちたか?

第1章『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女/THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO』では、40年前に大富豪の姪が失踪した事件の真相究明を描いた。社会批判をテーマにした月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエル・ニクヴィストと天才ハッカーのリスベット・サランデルという男女の名コンビ。その難題に対峙する姿は衝撃と感動をもたらした。

だが時折、割り込む回想映像の数々は、謎のままだった。BMWの運転席にいた男の素性。その男にオイルをかけた後に、火を放った少女の将来は?  それらの答えが、『ミレニアム2』『ミレニアム3』で、ついに明かされます!

©Yellow Bird Millennium Rights AB, Nordisk Film, Sveriges Television AB, Film I Vast 2009

『2』の設定は、前作から1年後。海辺の豪邸を約3億円で購入したリスベット。彼女の台詞によれば失踪とされた、約1年の間「オーストラリア、ニュージーランド、カリブ海」を旅していたという。一見、しあわせな生活を送っているようだが、彼女の悪夢はまだ覚めていなかった。

物語は、身長154センチ、体重42キロのヒロイン・リスベットに、殺人の容疑がかけられたことから展開してゆきます。なぜ凶器から彼女の指紋が検出されたのか。観客には周知の事実だけに、捜査過程を見て、検察、警察、マスコミ等キャラクター観察がじっくり行えるようになっている。

やがて殺人事件の背景には、政府高官、公安警察、医師、弁護士といった、本来は正義の味方であるべき人々の存在が。職を真っ当すればこそ、世間から敬われる人々の堕落が露呈する。社会的地位を盾に、社会的弱者である女性や子供をなぶりものにしているのだ。このあたりは、創作とはいえ昨今のニュースに通ずる展開で、唖然とさせられるはず。しかも恥知らずな連中の悪あがきは、破廉恥極まりない。そんな連中に対するヒロインの闘いの行方を見届けずにはいられなくなるのだ。第一章では、活躍の場を与えられなかった女性弁護士(ミカエルの妹)も登場。リスベットを悪夢から解き放つために、リスベットを囲む騎士団は、アーサー王と円卓の騎士の如く活躍。

このシリーズで訴えたいのは、“社会の闇や暴力の連鎖がいなになされてゆくか”なのかも。凌辱シーンなどは目を背けたくなるほどだが、連鎖を断ち切るためにも描く必要があるのだと。

ありきたりな勧善懲悪モノではないので、何度観ても飽きることはない。また、時系列では『1』『2』『3』となるものの、『2』『3』『1』の順で見ても面白い!

日本公開=2010年9月11日
配給=ギャガ
©Yellow Bird Millennium Rights AB, Nordisk Film, Sveriges Television AB, Film I Vast 2009

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公式サイト millennium.gaga.ne.jp

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