俳優の松坂桃李が、佐伯泰英著「居眠り磐音 決定版」(文春文庫刊)をベースとする時代劇映画『居眠り磐音』にて主人公の坂崎磐音を演じることが明らかになった。松坂にとって初の時代劇映画であり、撮影は本年3月より大分県杵築市や京都近郊で実施され4月に撮了している。※本人コメント全文掲載
原作は2002年に双葉社から文庫が刊行され、シリーズ51巻で、最も売れている平成の時代小説シリーズとして多くの時代小説ファンの心をつかんでいる。映画公開に合わせて、2019年3月には文春文庫から「居眠り磐音 決定版」としてシリーズが刊行されていく。
松坂が演じる坂崎磐音(さかざき・いわね)は九州・豊後関前藩の中老・坂崎正睦の長男。三年間の江戸勤番勤めの後、27歳で帰藩した直後に起きた事件のため、許婚の奈緒を残して関前藩から離脱、江戸深川で浪人暮らしを始める。剣を構えた様子が「まるで春先の縁側で日向ぼっこをして居眠りをしている年寄り猫のよう」と評されたため、居眠り剣法と呼ばれている。普段は人情に厚く穏やかな人柄だが、大切な人を守る為には颯爽と悪を斬るというキャラクター。
監督には、『ゲゲゲの鬼太郎』『超高速!参勤交代』シリーズ、『空飛ぶタイヤ』の本木克英。人情に厚く礼節を重んじ、良すぎるほどに人が良い、春風のように穏やかな磐音。江戸下町の人々との心温まる交流、颯爽と悪を斬る磐音の剣、胸をしめつける男女の恋模様を描く、本格時代劇エンターテインメント。
映画『居眠り磐音』(松竹 配給)は2019年5月17日[金]より全国公開
©2019映画「居眠り磐音」製作委員会
僕が演じた坂崎磐音は穏やかで静かな空気を纏いつつ心の奥底に青い炎を燃やしている、そんな男です。年寄り猫のような磐音、彼の中で時間がゆっくり流れているような。クランクイン前に殺陣や所作に加えて、鰻捌きの練習をしてきましたが、非常に難しく心が折れそうになりました。本木監督はじめ、アクションチーム、京都のスタッフさん、共演者の皆様に支えていただき、何とか最後まで演じきることができました。幅広い世代の方に楽しんで頂ける作品になっていると思いますのでよろしくお願いいたします。
「居眠り磐音」は、時代小説としては異例の51巻の長大シリーズだ。松坂桃李君主演で映画化されることになった。私にとって映画化は初めてなら、松坂君にとっても時代劇初主演だそうだ。私はなぜか初物に強い。文庫書下ろし時代小説という出版形態を確立したのも私である(いささか強引過ぎるかもしれぬが)。これほどの「初物」づくしの撮影現場を京都の太秦松竹撮影所に見物に行った。何十年ぶりだろう、映画スタジオに足を踏み入れたのは。その瞬間、数十年の空白(日芸映画科卒業、撮影助手が最初の仕事だ)が掻き消えて、現場の高揚感と緊張感が私の身を包み込んだ。磐音役の松坂君も初々しかった。初物づくしの映画は、ビギナーズ・ラックを生み出すに違いない、そう原作者は確信している。
あたかも娯楽時代劇の傑作に観入るかのような佐伯泰英原作の読み心地を、映画でも現出したいと思いました。松坂桃李さんという新鮮な才能を得て、本格派の時代劇がよみがえりました。
映画『居眠り磐音』あらすじ
江戸勤番を終え九州・豊後関前藩に三年ぶりに戻った坂崎磐音と幼馴染の小林琴平、河井慎之輔。三人は同じ道場に通う修行仲間であり、琴平の妹・舞は慎之輔に嫁いでいたため二人は兄弟でもあった。また磐音も、琴平と舞の妹・奈緒と祝言を控えており、三人はただの幼馴染以上の深い絆で結ばれた関係であった。ところが、これから磐音と奈緒との祝言という運びになったとき、大変なことが起こる。なんと慎之輔が「妻・舞が不貞を犯した」という噂を聞き、舞を斬ってしまったのだ。それに激高した琴平は慎之輔に噂を吹き込んだ人物、さらには慎之助本人を斬るという凄惨な展開に。琴平は罰せられることとなり、なんと磐音が琴平を討ち取るよう命じられてしまった。決死の闘いで琴平を討ち取った磐音は、実の兄を殺した以上奈緒と一緒にはなれないと、奈緒を残し脱藩することを決意。すべてを失い、江戸へ向かった。
映画『居眠り磐音』予告編
©2019映画「居眠り磐音」製作委員会
2018年09月24日 掲載
2018年11月28日 更新[特報映像]
2019年02月19日 更新[予告編映像]
2019年03月22日 更新[予告編差替え]
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映画『居眠り磐音』ティザービジュアル 着座版
映画『居眠り磐音』公式サイト http://iwane-movie.jp/
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